しとにっき(仮)

趣味の作品公開用

第13回チキチキUnity1week!!! 初参加の記録と反省

与えられたお題に即したゲームを一週間で作るイベントに参加しました。

Unity 1週間ゲームジャム お題「さがす」 | フリーゲーム投稿サイト unityroom

初参加+界隈の繋がりほぼゼロ状態での参加でしたが、ありがたいことに多くの方に遊んでいただき、評価件数最多&様々な嬉しいコメントをいただくことが出来ました。ありがとうございました。

作品はこちら。伝統的なローグライクゲーム不思議のダンジョンみたいなマップ探索)の難易度をめちゃくちゃ高くする代わりに、時間を戻す能力を与えて理不尽さを五分五分にしようというコンセプトの作品です。

むりゲー VS チート | フリーゲーム投稿サイト unityroom

 

とても良い経験になったので、僭越ながら記録や反省を記しておきます。これから同じように初参加される方の参考になれば幸いです。

 

1week中の進捗と思考

参加時Unityスキル

自作ゲームにはホラー脱出ゲームが1本、緩いカジュアゲームが2本、まだ正式リリースしてないけどオンライン対戦ボードゲームが1本あります。あとゲームじゃないものでは電子診断書とかWii Fit連携のVRとか色々。

マジでUnity開発者コミュニティと繋がりが無かった上に歴2年程度の独学なので、DOTweenって何?くらいのレベルです。

また、これまでリリースした作品は繰り返し長く遊ばれるものではなかったので、耐久性のある作品へのプロトタイプというのが今回の自己テーマでした。

 

0日目(お題発表)

お題「さがす」を見て、とりあえず独りでブレインストーミングをしました。

安易なもの、発展性のなさそうに見えるものも含め、とにかく否定をせず思いつくものを全て出すのが鉄則ですね。それで間違い探しもウォーリーを探せも出てこない視野の狭さよ。

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最終的に分霊箱は別のハリーポッター要素として登場するのである

この日はこれだけ書いて深夜1時前には寝ました。

  

1日目(月/祝)

起床と共にホワイトボードを見て、コンセプトにする要素を選びました。

今回はまず「誰もが真っ先に思いつきそうなもの」「自分の土俵じゃないもの」を削除しました。挙げたものが少なかったので、その時点で「歴史の分岐点を探すタイムトラベル」「視点の逆転(探される)」だけが残りました。

後者はそこまで珍しさを感じない上に、やるなら多分ホラーだけど直近の作品で苦手な人も沢山いるジャンルと実感していたので、お祭りイベントだし避けることに。

一方で前者は自分がSFフリークなので発展も効きそうに感じ、また滅多に被らないだろうと判断しました(最終的にはSFにならなかったですが)。

 

コンセプトをタイムトラベル要素と決め、どうゲームにするか考えていきます。まずはそこから思い付く手法を拡げるストレートな方法を取りましたが、これは行き詰まりました。

例えば真っ先に思いついたのは「人類を過去に放り込んで現代まで再発展させる」というアイデアで、配置系の放置ゲームにすること。

しかし放置系は色々遊びたい趣旨に合わないかなと懸念があり、また面白いの自分だけじゃね感で打ち止め。あとはミステリ寄りのノベルゲームだとか色々考えるものの、本格的な物語作り経験が浅く一発勝負でそれをやる自信がなかったです。

しかし、短期プロジェクトでは独りでホワイトボードからやり直しても新しいアイデアは出ないのが世の常。

 

そこで強制発想法という、イノベーション論なんかの手法を使いました。

カッコツケ用語のようですが、要は「全然関係ないものを無理やり関連付けて未知のものを捻り出す」ってだけのことです。

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出展:https://uxxinspiration.com/2014/06/creative-matrix/

というわけで強制的に組み合わせる要素を求め、アナログボードゲームが好きな友達に何も説明をせず「『探す』って言われて思い付くボードゲームを全部挙げろ」という怪文書を送りました。

ここで既存のゲームと組み合わせたのが、後述する独自性アピールの薄さに繋がったのかもしれない。

 

送るだけ送り、僕は別のボードゲーム(競技スケボー体験)へ誘われていたので遊びに行きました。休日に家でゲーム作ってるような奴が急にそんなことすると死にます。

unity1week中にスケボーをしてはいけない。参考にしてください。 

 

22時くらいに作業場へ戻り、文書への返信をチェック。もらった中で「ダンジョンクエスト クラシック」というものが良いアイデアを生む気配がありました。

この作品は、昔ながらのローグライク理不尽な運ゲー要素が詰め込まれ、90%が死んで終わるボードゲームです。

www.comonox.com

ここに自分のコンセプトを「タイムスリップで理不尽イベントを回避する」と組み込めば、丁度いい難易度になるんじゃないかという案が思い浮かびました。さらに、ローグライク自体が「さがす」要素も持っていますね。

またこの作品は僕自身も遊んだことがあり「準備が大変なのにすぐ死ぬので、デジタルで気軽にやれれば面白そう」と感じた記憶や、Card Chessの経験値で盤面移動系は開発が楽そうだったことも相まって、大体の方向を決めました。

 

まず「ローグライク」「行って帰ってこないといけない」「イベントが鬼畜」というところだけ利用し、あとは全部オリジナルにすることにしました。

なるだけシンプルで1プレイが短いということを念頭に、マップサイズを本家の半分以下に小型化。イベントはモンスター・回復(幽霊メイド)・宝箱(まさぐる)・ワナ の4つだけに決め、テキストと効果を大体のイメージで考えてリスト化しました。

ここまで終えて、とりあえず必要そうなアセットと素材や過去のソースコードを揃えて深夜1時過ぎに就寝。

 

 

2日目(火)

「最近やっとハリーポッターを観た」と昼飯食いながら話していると、タイムスリップ能力は逆転時計にして「ボタン押したら画面暗転+時計が逆回転」ってのがスタイリッシュやなと思い付きました。

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1ターン前の状況に巻き戻る。

 週の予定的にこの日で開発の目処を立てたかったので、本業を早めに切り上げて18:30に開発開始。

ローグライクは初開発でしたが、プログラミング的には丁寧にやれば難所は無いジャンルでした。ただしマップ生成アルゴリズムを考えているときに「詰まないマップ生成」の実装方法に悩みました。

5分ほど考え、「まあ詰まないための逆転時計やし本家ダンジョンクエストも詰むからこのままでええわ」と判断しました。

23時前くらいに根幹が完成し、動画アップ用に仮BGMを1案作成しました。翌日が早かったので日付が変わる頃くらいに就寝。 

 

 

3日目(水)

22時に本業が終わってから、少し後輩にテストプレイしてもらいました。二人で爆笑して、この作品が面白い確信を得ました。理不尽とランダム要素は神を生む。

また僕が横から説明をしながら遊んでもらったことで、そのときに分かった「遊ぶための必要情報」をチュートリアル用に収集しました。

 

そこから作業場へ。まずは残りの実装やイラストの選定と作成を行いました。

ここで行き止まりのマップを用意していないことに気付きました。しかし生成アルゴリズム修正やタイル素材の用意がめんどくさかったので、行き止まりに入ったら全員死ねばいいと思い付き「行き止まり待ち伏せ捕獲おじさん」が誕生しました。

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コメントでたくさん好評(憎しみ)をいただきました

先述の詰まないマップ生成をやめた件も同様で、時間の限られた短期プロジェクトで「めんどくさい」を「もっともらしい意味付け」で解決することは上手にできた気がします。

その後チュートリアルを作成して、まだ眠くなかったので仮BGMを2案作成しました。この日は一番頑張って3時就寝。

 

4日目(木)

ゲーム制作の本質には関係ない話を1段落。

音源制作のレッスンと被ったので、仮BGMを聴いてもらいました。「最近ヒップホップばっか聴いててハリーポッター観たての奴」と看破され、BGMの編曲について根本的なレクチャーを受けました。3案あった仮BGMは全滅。

開発的には、スマホに入れて電車でテストプレイした所感からゲーム的なバランス調整などをしました。本当はこの日が開発の山場のつもりでしたが、火曜に開発が結構済んだので助かりました。

↓ ここではまだ問題のBGM。

 

 

5日目(金)

本業の慰安旅行@城崎。蕎麦が美味かった。

 

6日目(土)

14時に慰安旅行から帰宅しました。

本作は目的地への到達(鍵の回収)をしなくてもゴール自体はできるのですが、「鍵を取らずに生きて帰る動機が薄い」と感じていました。

そこで前回スコアに応じた装備機能を付けることで、生還へのモチベーションを生み、さらに周回プレイの面白さも出せると思い付いて実装。

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コメントでも結構好評だったので、直前に入れてよかった。

またランキング機能は絶対付けた方が良いと思いつつ、Photonの使い方をCardChessから時間が空いて覚えていなかったため迷っていました。そのときnaichiさんのパッケージで楽に実装できることを発見して拝借。 ありがとうございました。

あとはBGMの編曲を付け焼き刃で修正。0時くらいに就寝しました。

 

最終日(日)

11時に起きてBGMのミックスとマスタリング(良い感じのデータにする作業)。

全てのデータが揃ったので、この段階でpng,wavファイルの容量削減と不要な初期パッケージの削除など動作対策をしました。

直近の作品で動作の重さを散々レビューで指摘されて、その際の学びが生きた形だったと思います。今回は元々軽い2Dとはいえ、我ながらWebGLでの読み込みは軽い方だったのではないでしょうか。

 

16時にunityroomへアップロード完了!

BGMも付け焼き刃にしては「BGM感」がマシになったのではなかろうか。

 

評価期間 & 面白かった作品

評価期間中の行動

アップデートは土日に入る直前に1回だけ。

チュートリアルを見返したい」というコメントをいただいたのでその実装と、思い付きの救済イベントを加えました。

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(死の)救済ではないです。

「モンスターに投げると倒せる」「周囲の壁を壊せる」「持っているとダメージを受ける」という効果を持った毒タケノコが手に入ります。

ドリルっぽいものが欲しいなあ → タケノコってドリルっぽいなあ → きのこタケノコ論争に乗せれば自然な入手イベントになるなあ、という感じで決めました。

こういうシュール系のテキストを褒めてもらうコメントがいくつかあって超嬉しかった。知的クール気取ってるんで滅多にやらないんですが、今後は積極的にやっていこうかと思っている。

 

あとは普通に他の方々の作品を遊び倒していました。

この時点で120作品くらい遊んでいたと思います。

土日はちょっと忙しかったので、最後の方はあんまり遊べなかった。。

 

他の方の面白かった作品

ここで僭越ながら僕の面白かった作品を紹介させていただきます。

面白かった作品ばかりでキリが無いので、今回のランキング的にはスポットが当たっておられなさそうなものを3つ。

  

小指のサラダください | フリーゲーム投稿サイト unityroom

しゅあんさんの作品。

注文された料理をお客さんの元へ振り分けるゲームです。小指のサラダなんて都市伝説、無えじゃねえか!!!!

架空の都市伝説自体も、更には絵柄とのミスマッチも狂気じみています。unityroomへの投稿を拝見すると多分ホラーが本筋の方ですよね

しかし単なる雰囲気やインパクト一発かというと、軽いネタバレになるので言えませんがこの言葉がプレイヤーを悩ませるゲーム性を持たせる上で一役買っています。

ワードセンスとゲーム単体の面白さが相互作用を生んでいて、とても感銘を受けました。

 

冒険者派遣会社 | フリーゲーム投稿サイト unityroom

ドックミートさんの作品。

エスト委託業者となり冒険者を派遣して、成功報酬を稼ぐゲームです。

能力の高い冒険者へ委託すると多く派遣費用がかかりますが、クエスト自体が失敗すると報酬そのものが貰えず赤字になります。

シンプルなルールの中で考えることが多く、何度も遊ばせていただきました。

また、こちらの作品は花札やトランプを使ったギャンブルのフォーマットと個人的に思っているのですが、カジノゲームを「冒険者の仕事仲介業者」という世界観へ落とし込む発想が素敵でした。

 

でゅら散歩 | フリーゲーム投稿サイト unityroom

hihiさんの作品。

一瞬で終わる作品ですがマジで僕の中で破壊力ナンバーワンでした。

デュラハンの身体を操作して自分の首を探しに行く、という作品。

ゲームを始めると画面が大・小に2分割されていて、大きい方の画面がずっっと真っ暗なんです。小さい方の画面に風景が写っています。

 

How to Playを見ると大きい画面が身体視点、小さい画面が首視点と書いてるんです。

身体視点の意味ねえな!!!!! 

 

個人的に「笑ってくださいね!」って笑いより、空気と行間のシュールギャグみたいなものが大好きなんです。本気で笑いました、最高でした。でゅら散歩ってタイトルも良すぎる。

 

今回の反省

1.斬新さの練り込み・アピール不足

評価基準は「楽しさ」「絵作り」「サウンド」「操作性」「雰囲気」「斬新さ」の6項目で、今作は「斬新さ」の項目が特に足を引っ張ったかなと思います。

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平均3.8くらい。ランクインは3.95から。

元ネタを知らずともローグライク自体が既存のフォーマットに乗っかっていると誰でも分かる以上、独自性を突き付ける破壊力はノープランでは出せない作品だったと思います。

今回の独自性は「時間を巻き戻す能力」だったのですが、その説明もそこそこにゲームが始まり巻き戻し能力自体も最悪使わなくていいため、結構「普通のローグライク感」が出てしまいました。

例えばぱふもどきさんに実況いただいた際に「実は斬新さはあんまり無いんじゃないか...逆行か。」という感じで、独自性が分かりづらい的な言及をいただいたりしました。

コメントで「新感覚のローグライクだった」というような声も少しいただくことも出来たものの、独自性を付けた要素を全員にアピールすることは出来なかったと思います。

もっと派手な逆行能力の絵作りや、一度は逆行能力を使わないといけない導入か難易度調整があればよかったかもしれません。

そもそも「斬新さ」で評価されている方々の作品はそういうレベルではない尖り方だったので、根本的な話もあるのですが。

2.他人に勧めてもらうための仕掛けが無い

unityroomのアカウントがTwitter登録なので、宣伝の主戦場はTwitterとして。

評価期間中に#unity1weekのハッシュタグを拝見していた印象として、作品を宣伝してもらっている多くは「スコアの投稿ボタン」「横の繋がりによる人推し(○○さんの作品!みたいな)」のどちらかだったと思います。

後者はどうしようも無いとして、前者は工夫の余地も多く重要だった気がします。例えばスコアを「賃金」「マッチング数」のように気を惹くものにする、「レーザーを避けた数」などゲーム性が一発で分かるようにする、といった様々なアプローチがあり参考になりました。

まして僕の作品の場合はスコアとランキング機能は付けたものの名称は単にScoreであり、「Tweetボタンがunityroom上にあるから変わらないだろう」とゲーム内に投稿ボタンさえ付けていなかったのがかなり反省点でした。

 

3.BGMのギターソロがクソ

リザルト画面のBGMはあんまり聴かないでくれ。

でも、限られた時間でそういうゲーム的にどうでもいい要素に拘らなかったのは偉いと思います。

 

今後の開発予定

今作は様々な反省がありつつ、いただいたコメントからは当初の自己テーマだった「耐久性のある作品のプロトタイプ」は達成している感触を得ました。

なのでSFC風来のシレンの本編くらいのボリュームとストーリーにして、スマホアプリとしてリリースしようかなと思います。

早ければ11月中、遅くとも年内。僕の最近の目標が短期間で作品を出すことなので、今回の一週間という締め切りを与えられた開発は良い経験になりました。

 

そのあとは開発済んで支援者に配布してるくせに絵作りとマーケティングから逃げているCard Chessのリリースにいい加減取り組みます。今回の参加でDOTweenの存在を知ったので、絵作りはなんとかなる!

camp-fire.jp

それが済んだらEsclipeの続編への要望をありがたいことにいただいているので、そちらに取り組もうと思っています。そこそこのボリュームにする予定です。

脱出ゲーム Esclipe

脱出ゲーム Esclipe

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今回Unity1weekで作品に触れていただいた方、これから参加される方、ぜひ開発者同士仲良くなれれば嬉しいです。以上です。